人は、毎日6〜8時間寝ると言われています。つまり、人は人生の三分の一を寝て過ごすのです。人が健康を保つ為に、良い睡眠を取ることは絶対条件の一つです。もし、うまく睡眠をとらなければ、どうなってしまうのでしょうか?いくつか挙げてみましょう。

・ 肥満の原因となる
・ 骨が細くなる
・ 活力がなくなる
・ 感情のコントロールができなくなる
・ 集中力・記憶力がなくなる
・ アルツハイマー認知症の発症リスクが高まる
 この他にも色々あるのであるが、今回は分かりやすい障害を挙げさせてもらいました。以下、なぜこのような症状が出てしまうのかを説明しましょう。

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 コロンビア大学による調査では、7〜9時間の睡眠時間の者に比べ、4時間以下の睡眠では肥満率が73%も高く、5時間の睡眠では肥満率が50%も高いと報告されています。つまり、十分な睡眠をとっていない人に肥満の人が多いということです。
 成長ホルモンというものをご存知でしょうか?そう、子供が背を伸ばすのに必要なホルモンです。実は、この成長ホルモンは成長だけではなく、骨や筋の修復、そして脂肪や糖をエネルギーに変換する役割があるのです。
 この成長ホルモンは、深く眠ると多量に分泌されます。つまり、深い睡眠をとらなければ、成長ホルモンは十分に分泌されないので、骨や筋が修復されません。そうなると疲労が回復せず、骨も細くなります。また、脂肪と糖を分解してエネルギーに変えることができなくなるため、肥満にもなるのです。
 よく寝ないと太るもうひとつの理由は、グレリンとレプチンの分泌量が変化するからです。グレリンとは食欲を増進させるホルモンであり、レプチンは食欲を抑制するホルモンです。スタンフォード大学医学部の調査では、8時間睡眠した人と比べて5時間睡眠しかしなかった人では、血中のグレリンが14.9%増加し、レプチンが15.5%減少することがわかりました。
 簡単に言うと、良く眠れなかった人は、食欲が増進され、食欲を抑制しにくくなるということです。
 しかも、良く眠れなかった人は、起きたときに強い眠気があるために朝食を食べない傾向にあります。これが夕食の摂取カロリーを増加させる原因となります。また、起きている時も、眠気に襲われるために運動量が低下します。さらに、寝不足により強く睡眠を欲しがっている時には、睡眠が本来もっているエネルギー消費を抑え、脂肪に蓄積させようとする機能が働いてしまい、体に脂肪を積極的に溜め込もうとしてしまうのです。
 以上の理由により、睡眠不足が肥満を引き起こす大きな原因になっていることは間違いないようです。
 ダイエットをお考えの方は、睡眠についても考えてみてはいかがでしょうか?

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 人の睡眠は、極度に発達した脳を休息させるために、他の生物とは違った進化を遂げてきました。日中、高度な情報処理を行い、フル回転する人間の脳には睡眠という休息が必要不可欠なのです。脳の中で、もっとも人間らしい機能を担当しているのが前頭葉です。
 この前頭葉は、感情のコントロール、情動・動機付け、記憶、思考などを司る重要な部分です。睡眠が上手く取れずに、前頭葉の休息が十分でない場合、これらの機能が低下することが分かっています。
 また、60分未満の昼寝の習慣は、アルツハイマー型認知症の発症危険率を大きく低下させることも分かっています。良好な夜間睡眠を取っている人は昼寝が短いことが分かっており、良い睡眠がアルツハイマー型認知症の発症リスクを抑えると考えられています。
 睡眠を上手く取らないことによって生じる障害は、他にも沢山あります。とりあえずは、健康に暮らしていくには睡眠がとても重要であることを理解していただけたら幸いです。
 次は、どのようにしたら良い睡眠を取れるのかを説明していきます。

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 良い眠りを得るために、知っておいてほしいことは次の三つです。
・ 眠りで一番大切なのは、最初の90分。ここでぐっすり眠るためにスムーズな入眠を心がける。
・ 体内のリズムを乱さないように、規則正しい生活をする。
・ 精神的にも、身体的にも活動的な昼間を過ごす。

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 先ほど眠らないと肥満になると述べた際、成長ホルモンのお話をしました。成長ホルモンには、糖・脂肪の燃焼だけでなく、体内の筋・骨の修復、カルシウムなどの無機質の濃度の調整など、様々な働きがあるのです。簡単に言えば、成長ホルモンは「体を健康な状態に保つ」役割があるということです。
 成長ホルモンは、眠りの最初の90分で大量に分泌されます。逆に言うと、この90分で熟睡できないと成長ホルモンはあまり分泌されないのです。また、眠りの最初の90分はもっとも深い眠りの時間であり、最も脳を休めることのできる時間です。
 つまり、睡眠の中で最も大切なのは、最初の90分なのです。
 この大切な90分で熟睡するためには、スムーズな入眠が不可欠です。また、スムーズに入眠できることが、「よく眠れた」という感想に大きな影響を与えているという話を聞いたことがあります。
 入眠前にはストレッチしたり、香りを楽しんだり、日ごろのストレスを持ち越さないようにして、リラックスして入眠できるように心がけるのが良いでしょう。

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 良い眠りを得るためには、体内のリズムに合わせた生活習慣が必要です。
 大抵の人間は、朝起きて、昼に活動し、夜に活動を止め、睡眠を取ります。人間はこのような生活を繰り返すので、体内もこの生活リズムに合わせて様々な変化を起こします。ここでは代表的な体温のリズムについてお話しようと思います。
 人間は体温が高いと活動しやすく、体温が低いと眠りやすくなります(正確には、体温が下がる過程で眠りやすくなる)。そのため、朝起きると、徐々に体温は上がっていきます。そして午後6時ごろに体温はピークを迎えます。その後、睡眠に備え徐々に体温は下がっていきます。この体温が下がる過程に睡眠を取ると、大変スムーズに寝付くことができます。そして、明け方4時ごろに体温が最低になり、起床に備えだんだん体温を上げていきます。良い睡眠を取るためには、この体温リズムを乱さず、体温が下がっていく時間帯に寝るようにすることです。
 ちなみに、この時の体温は内臓(主に直腸)などの体の奥底の温度のことを指しています。以降、この体温のことを深部体温と呼びます。ゆえに、あまり遅く寝すぎて深部体温が下がる過程を逃してしまうと、良く眠ることができません。午後10時前後に寝るようにするのが良いでしょう。
 また、寝る前に熱いお風呂に入るのは深部体温を上げてしまうので、入るときはぬるめのお風呂がいいでしょう。さらに、寝る前の飲み物、喫煙にも気を付けましょう。コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物は、脳を刺激し寝付きが悪くなります。
 また、多量のアルコール摂取も睡眠を浅くする作用があるので、控えたほうが良いでしょう。つまり、毎日の規則正しいリズムに沿った生活習慣が大切だという事です。

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 子供のころ、日が暮れるまで元気いっぱい遊び、疲れきって家に帰りそのまま泥のように眠った経験はありませんか?
 良い睡眠を取るためには、適度に体を動かして、体を疲労させておく必要があります。男子大学生18名を、昼間休んだグループ、昼間に6時間の計算活動をしたグループ、昼間に18kmのジョギングをしたグループに分け、睡眠の質を比較した実験があります。結果は、昼間に計算、ジョギングと精神的に、身体的に活発に活動したグループにおいて深い眠りを観測できたそうです。
 では、どの時間帯に、どの程度運動すれば良いのでしょうか?
 男子大学生6名に対して行われた実験では、心拍数120bpm程度の運動(少し汗をかく程度の運動)を一時間、夕食の一時間後、就寝の二時間前の時間帯に行うのが、最も睡眠に良い効果を与えることができると分かっています。
 厳密にこの実験結果に基づいた運動を行う必要はないと思いますが、ポイントは「精神的にも、身体的にも活動的な昼間を過ごす」ということです。その活動的な昼間が、深い安眠をもたらしてくれるのです。
 最後に、ティモシー・J・シャープ氏の『眠れない眠りたい―快眠のための10のステップ―』という本に紹介されていた、活動的な昼間の過ごし方を簡単に紹介したいと思います。
 車やエレベーターを使わず、できるだけ自分の足を使って生活します。このようにして、活動量の多い日常生活を心がけるようにしましょう。
 しかし、それだけでは十分な運動量とは言えません。週に3〜4回ほど、30分以上の心臓の鼓動を一定量上げる激しい運動を行う必要があります。30分以上のウォーキングなどがお勧めのようです。

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参考文献

『ぐっすり眠れる枕の本』(1999 ロフテー快眠スタジオ 廣済堂出版)
『睡眠環境学』(1999 鳥居鎮夫 編 朝倉書店)
『睡眠とメンタルヘルス―睡眠科学への理解を深める―』(2006 白川修一郎 編 ゆまに書房)
『眠れない眠りたい―快眠のための10のステップ―』(2005 ティモシー・J・シャープ 創元社)

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睡眠情報サイトの紹介

healthクリック・・・「healthクリック」さまの睡眠について説明されているページのリンクです。
http://www2.health.ne.jp/library/sleep/index.html/

日本睡眠学会・・・学術的で信頼性が高そうです。
http://jssr.jp/

快眠推進倶楽部・・・睡眠全般についてわかりやすく説明されています。
http://www.kaimin.info/

Suimin.net・・・睡眠についてわかりやすく、簡単にまとめてくださっています。
http://www.suimin.net/sleep/what_sleep.htm

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開発者の再田
開発者から―

 ぐっすり眠れる枕まで15年

 みなさんは、いまどのような枕をお使いでしょうか。あまりにもたくさんありすぎて、どれがよいのか、はたして自分にあっているのだろうかと迷うことはないでしょうか。枕が睡眠の善し悪しに与える影響は意外に大きいものです。もし、枕が合わなくて、睡眠を損ねているとしたら、とても残念なことですよね。健康の維持そして活動的な毎日を過ごすために良い睡眠をとりたいものです。

 枕を選ぶうえで一番大切な要素は、自分にあった枕であるということです。しかし、自分に合った枕がなかなか見つからない、あっているのか分からない、なんとなく使っている、というのが実情ではないでしょうか。何個も枕を買い求めたり、複数個の枕を使い分けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分にぴったり合った枕を見つけるのは難しいことなのです。

 枕が合わないのには原因があるのです。それは、使う人の体型や頭の形など、千差万別で同じ人はいないからです。 私自身、市販のあらゆる枕を試しましたが、自分にあった枕はありませんでした。枕の形状、大きさ、素材などを、いくら変えたり組み合わせたりして作ったとしても、体型や頭の形などの個人差に対応できる枕を開発しない限り、ぴったり合う枕はできないのです。そこで、私は枕の機能を根本から見直し、これまでどの枕にもなかった、枕内部の素材の流動をコントロールすることで体圧を理想的に分散する方法を開発したのです。個人差に対応でき、誰が使ってもぴったりフィットする枕ができたのです。それが、流動コントロール枕「まこと」なのです。お使いいただいている皆様方から、「ぐっすり眠れるのでビックリしました」「すぐに寝つける」「肩こりが楽になった」など、大きな反響をいただいております。この流動コントロール枕「まこと」をぜひお使いただき、快適な生活に役立ていただければ、開発者として、これ以上の喜びはありません。